校長のひとりごと 27 1年生「帰りの会」の1コマを参観して ~声の調整~

 今から10数年前、自己啓発のためにサントリー株式会社が出資している2日間の研修会に参加したときのことです(研修費として個人負担で10万円かかりました)。
 ペアーになって、1人の人がもう1人に説得をするための時間を3分間与えられ、3分間経った後に、説得された人が「納得したかどうか」を評価するという課題でした。結論は、説得するための重要な要素は、説得する内容ではなく、どれだけ迫力を持て相手に伝えようとしていたかがポイントでした。
 
 帰りの会で、1人ずつ1日の反省を発表する場面でとても気になった点は、全体的に声(ボリューム)が小さいことでした。
 内容を考えながら発表しているので、結果的に声が小さくなるのかも知れませんが声が小さいというだけで「元気がない」「自信がない」等のネガティブな評価を受けるではないかと心配です。

 相手に何かを伝えようとする場面での適切な声の大きさはとても重要です。しかもうつむいている場合、本当に伝わってきません。したがって、相手の方を見て、適切ボリュームで発表できるよう日々のトレーニングを積む必要があります。1対1の場面で適切な大きさの声が出せても、場面を変えた「面接シーン」や「多数の人の前で離すシーン」では、どうしても声が小さくなってしまうので、教師によるきめ細かなチェックと個別の指導が必要です。

 以前、拙書「ADHDサポートガイド」の本の中で、このような手立てを紹介したとがあります。

 声の調整は、発声器官の筋力調整(微細運動)です。他の微細運動や粗大運動とも関連しており、握手する、肩をたたく、鉛筆で字を書くなどの調整力とも関連しています不器用な生徒や乱暴な行為になりがちな生徒は、生物学的な困難を抱えている場合がなくありません。

 ※3つの大きさの異なる円を描き、円の大きさと声の大きさが比例していることを理解させる。図は省略。
 
 上図のように、声の大きさや力加減などを視覚的にイメージ化した上で、視力検査ときのように、差し棒で指しながら声の大きさを評価し修正させます。
 声だけではなく、太鼓や笛などの楽器を使って力の調整方法を実技を兼ねて繰り返練習させたこともあります。この練習をしておくと、日々の生活の中で力の調整につて、自己評価できるようになり(今のはボリューム1でした)、素早く修正するのが容易なります。
 もっと身についてくると、場面によって、自分自身の心の声となり、「この場面ではホリューム3で話さなくてはいけない、この場面ではボリューム2が望ましい」等と自己調整(己コントロール)ができるようになってきます。
 また、他者の発表を聞いていない生徒がいる場合、発表後、聞いていた生徒に「今、話した内容を言ってください」と質問するだけで、注意を持続して聞く態勢ができてきます。
 指導者の心がけ次第で、生徒は変わってきます。試してはいかがですか。 

 参考までに、自分の体験からの「指導の工夫」を紹介しました。

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